Tales of Another Story Prologue〜そして私たちは出会った〜



2.出会い


レアバードで向かった先は学園都市―――ミンツだ。街は多くの人で賑わっていた。


「す、すごい・・・・・」


リリスはミンツの街並みを見て驚愕している。


リーネとは比べ物にならないほどの、街の規模。リリスにとって全ての光景が新鮮そのものだった。


「どうです、賑やかでいい所でしょう?」


フィアネスが街を案内しながら、学園へと向かっていく。


(・・・・・・・・・・・・)


リリスには昨日の一件がまだ引っかかっていた。あの時のフィアネスの豹変だ。


ミンツの街並みよりも、フィアネスのことが気になって仕方がなかった。


リリスはじっとフィアネスを観察するも、今は至って普通で、特に変わった様子はない。


「・・・・・・あの、私の顔に何かついてる?」


リリスの視線が気になったのか、フィアネスが訪ねてくる。


「・・・・昨日のことなんですけど、本当に覚えてないんですか?」


疑問のままにしておくのは嫌だった。思い切って昨日起きた出来事の一部始終をフィアネスに打ち明けた。


「・・・・・・私が、そんなことを?」


フィアネスは唖然とした態度を取った。どうやら本当に何も覚えていないらしい。


「ごめんなさい、本当に何も覚えてないの・・・・もしかしたら私、疲れているのかもね」


言って、苦笑するフィアネス。


何を聞いても意味がないと悟ったのか、リリスはこれ以上の追求をやめた。


この人は教師だ。世界を飛び回り、生徒を募集しているのだから、疲れは溜まるのは当然。


きっと何か事情があるのだろうと、リリスはフィアネスを信じることにした。


それに、ここへ来ると決めたのは他ならぬ自分自身なのだから。


(何か、らしくないや・・・・私)


人を疑うことを知らないリリスが、いつもとは違う自分に気が付いた。


「さあ、着きましたよ」


気が付くと、もう目的の場所に辿り着いていた。考え事をしていたせいか、時間があまり経っていないように感じる。


(まあいいか、気にしててもしょうがないし)


頭をぐるぐると駆け巡っていた疑問を吹き飛ばす。気持ちをリフレッシュして学園の中へと入った。


フィアネスはリリスを待合室の前まで連れて行く。


「私は今から手続きをしてきますので、この部屋で待っていてください」


フィアネスはそう言い残し、走り去っていった。


「失礼しま〜す」


待合室に入ると、そこには生徒が4人待機していた。リリスに視線が集まる。


「あれ?あんたも選抜された子?」


話しかけてきたのは、アホ毛の目立つ女の子だ。彼女の名前はノーマ・ビアッディ。


「あ・・・えっと・・・はい、そうです」


思わず畏まるリリス。


「そんなに緊張しなくてもいいよ。あたしはノーマ!よろしくね」


ノーマは元気よく挨拶をする。


「あ、私はアニー・バースです。よろしくお願いします」


袖の長い服を着た女の子が挨拶をしてくる。彼女はアニー・バース。


「あたしはしいな、よろしくね」


どこか和風な服を着た、胸の大きな女の子―藤林しいな。


「あ・・・僕は、フレイ。よろしく」


どこか控えめな雰囲気を持つ銀髪で赤と緑の色をしたオッドアイの少年―――フレイ。


「わ、私はリリス―――リリス・エルロン。よろしく!」


リリスが元気よく自己紹介する。


「リリスかぁ・・・じゃあ、“リリっち”で!」


ノーマが勝手にあだ名をつけ始めた。


「で、アニーが“アニちん”で、しいなが“しぃちゃん”。フレイが“フレれん”!」


全員のあだ名も勝手に決めてしまう。話しているうちに、リリスはノーマたちとすぐに打ち解けることができた。


これから始まる学園生活。リリスたちは期待を膨らませる。


と、フィアネスが手続きを終えて戻ってくる。


「みなさんの入学手続きが終わりました。制服の試着をしますのでついてきて下さい」


こうしてリリスたちの学園生活は始まったのである。


戻る